変形性膝関節症の痛みには特徴があります。
それが病気に気づくきっかけになったり、ほかの病気と見分けるポイントになったりします。
また、変形性膝関節症には痛み以外にも特徴があるので注意が必要です。
もくじ
変形性膝関節症の痛みの特徴
歩き始めや、立ち上がりのときに膝が痛むけれど、少し休んだり、我慢して歩いているうちに治まり、普通に歩けるようになる。
このような症状がみられたら、変形性膝関節症が強く疑われます。痛むのは、軟骨の破片がを刺激するためです。
長時間歩き続けると、再び痛みが出現し、だんだん歩ける距離が短くなっていきます。
O脚の人は膝の内側、X脚の人は膝の外側に、痛みを感じることが多いですが、膝のお皿の周囲が痛んだり、膝のうしろ側に張りを感じることもあります。
特徴①階段の上り下りで痛む
階段の昇降でも痛みがよく出現します。症状に波があるのも特徴です。階段の上り下りで膝が痛むという症状は、中期の変形性膝関節症によくみられます。
はじめは下りのときだけ痛かったものが、軟骨の摩耗(すり減ること)が進むにつれ、上りでも痛むようになります。
変形性膝関節症の痛みは、数力月単位でよくなったりわるくなったり波があるのも特徴です。一時的によくなったからといって、そのまま治ることはありません。
進行する病気なので、年単位でみれば確実に悪化していくのが特徴です。
特徴②動かし始めに痛い
関節の内部は、関節液という粘り気があり、糸を引くように伸びる液体で満たされています。これが潤滑液となって、膝の動きをスムーズにしているのですが、関節軟骨や半月板がすり減り、けば立つと、関節液がなじむのに時間がかかるようになります。
そのため、動かし始めに摩擦が生じ、こわばりや痛みが出やすいのです。動きだす前に膝に負荷のかからない椅子に腰かけたまま行う準備運動をすると痛みがやわらぎます。
変形性膝関節症の人の関節液は、粘り気はあっても糸を引く力が弱いので、ヒアルロン酸製剤の関節注射で糸を引く力を足すこともあります。
変形性膝関節症の痛み以外の特徴
変形性膝関節症には初期、中期、末期と痛み以外の特徴が変わります。
初期・・膝の違和感やこわばり
朝起きたときや、長時間座っていた直後に膝を動力したら、なんとなく膝が重くスムーズに動かないという違和感。膝が固くなり、動かしにくいこわばり。これらは、変形性膝関節症で最初に自覚する症状です。
軟骨がすり減って「けば立つ」と、関節の潤滑液である関節肷が軟骨になじみにくくなるため、このような症状があらわれます。動いているうちに関節液がなじみ、違和感やこわばりは数分で解消します。
ごく初期には、膝周辺の筋肉やすじが張りやすくなったりもします。よく歩いた日の夜や翌日に、膝のうしろ側などが張りますが、膝を休めれば徐々に回復します。
中期・・水がたまる、膝が伸びない
中期には水がたまったり膝が十分に伸びないこともあります。
軟骨のけば立ちが強くなり、はがれた破片が関節の隙間に挟まると、膝を曲げ伸ばししたときにガリガリという音が聞こえます。また、炎症のために関節液が分泌されるようになると、一般に「膝に水がたまった」といわれる状態になり、膝が腫れて重だるく、熱っぽく感じます。
炎症を繰り返すうちに、滑膜は固くなって厚みを増し、柔軟性が低下していきます。痛みのために膝を動かさないと、筋肉や靱帯の柔軟性が失われ、炎症の慢性化によって、周囲の組織との癒着も進み、膝を十分に伸ばしたり曲げたりできない、「拘縮」という状態になります。
拘縮は徐々に進みますが、軽いうちは、膝を伸ばしきれないことに気づかない人が少なくありません。膝は、わずかに曲げた状態でも生活に不自由がないため、気づきにくいのです。
末期・・ひざくずれ
さらに、骨棘という骨のトゲができると、それが邪魔して膝をびんと伸ばせなくなったり、曲げ伸ばしするときにひっかかるような感じがしたりします。
また、半月板がすり切れた状態になると、膝が伸びきらないだけでなく、歩行時や階段の昇降時に、突然膝ががくっとくずれる「ひざくずれ」が起きるようになります。膝の軟骨や骨の変形が進み、O脚がひどくなるのもこの時期です。
拘縮が強くなる末期には、自力で歩けない、立ち上がれないなどの、機能障害が目立ってきます。
また、変形性膝関節症がひどくなると体を動かさなくなることによって、全身の筋力が衰えるだけでなく、肺や心臓の機能も低下していくのが特徴です。
変形性膝関節症は、「ロコモティブシンドローム」(足腰の弱りから日常生活が困難になる状態)から要介護、寝たきりとなる要因です。
痛み以外の症状にも目を向け、いつまでも自分の脚で歩けるように、正しいケアと治療を続けていくことが重要です。