足の筋肉を強くすると膝の痛みが軽減できます。
太ももの筋肉を鍛えるちょっとした運動で膝の痛みがなくなります。鍛えることで膝が完全に伸びる効果が生じて、膝関節のすき間が広がるのです。
大腿四頭筋(太もも)運動は86.0%の変形性膝間節症の患者に、痛みをやわらげる改善効果がみられました。
もくじ
変形性膝関節症の痛みには太ももの筋肉を鍛える
筋肉は骨格を支える大切な役目をもっています。
膝の痛みには太ももの筋肉を鍛える。腰の痛みには腹筋を鍛える。この2点は大切な点です。
変形性膝関節症は自己管理が必要な病気です。筋肉を鍛える方法で膝の痛みは防げるのです。運動によって太ももの筋肉が強くなれば、関節軟骨にかかる体重は分散、均一化されます。さらに、膝の軟骨の細胞も刺激されます。その結果、新しい軟骨がつくられて症状が軽減されます。ですから、症状が悪くても足の筋肉を鍛える運動はおこなってほしいのです。
膝が痛いからといって動かさないと、曲げ伸ばしができない拘縮が生じ、拘縮によって痛みが増すので、いっそう動かさなくなる、という悪循環に陥ります。軟骨の代謝も悪くなり、変形性膝関節症はさらに進行します。
関節軟骨がすり減っても骨が少し変形しても、膝を動かす大腿四頭筋や膝屈筋群が十分強ければ、膝関節のすき間を引っ張って広げることにつながり、痛みはやわらぐのです。
大腿四頭筋の筋力をつけるためのトレーニングをつづけることで、痛みをやわらげることができます。大腿四頭筋を鍛える運動は1人でじっと続けるという、地味で少し孤独な巡動のため、途中で投げ出してしまう人もいます。そうした人には病院のリハビリルームで指導員に習いながら、また同病の人とおしゃベりしながら、または音楽を聴きながらゲームのように楽しんで膝の筋肉を鍛える方法もあります。理想を言えば、家族全員が協力して団樂のなかで運動できたらいいのですが……。
太もも(大腿四頭筋)の鍛え方4選
足の筋肉の大腿四頭筋強化、訓練法には、以下の4種類があります。
①等尺性運動(セッティング法)
等尺性運動とは、膝を伸ばした格好で、筋肉の収縮する長さを1定にしておこなう運動です。膝の関節をほとんど動かさないでもできる運動なので、膝関節症などの機能障害のために膝の関節を動かせない場合や、関節を動かすと痛いとき、ギプスで膝の関節を固定しているとき、膝が完全に伸びない(屈曲拘縮)場合のリハビリ運動にもなります。
セッテイング法は膝の下に枕(クッシヨン)などを入れて、大腿四頭筋を収縮・緊張させる方法です。足首は絶対に力を入れないようにしましよう。膝に部分的にかかっていたアンバランスな負担を均|化し、膝の屈伸をしやすくします。
セッテイング法は、いつでも、どこでも手軽にできる運動で、膝の病気の症状を軽くするだけでなく、予防にもなりますので若くて健康な人にも実行してもらいたいものです。変形性膝関節症の「膝蓋型」では膝蓋骨に負担をかけてはいけない場合がありますが、セッテイング法は、そういう患者にも向いています。
変形性膝関節症に特におすすめの「セッティング法」のやりかた
- 仰向けに寝てて、または足を投げ出して座って、膝の後ろに枕(クッション)や夕オルを巻いたものを敷きます。膝の状態によって枕の大きさは変わりますが、運動が楽にできるくらいの大きさにしてください。膝の伸びが悪ければ枕は大きめがいいでしょう。
- 膝のお肌をグッと引き上げるように(膝を伸ばす感じ)、静かに大腿四頭筋を10秒ほど収縮させます。大腿四頭筋が緊張するのがわかります。膝を80%の力で仲ばす(枕を押さえつける感じ)だけです。
- 関節を動かさないで筋肉だけを収縮させる要領です(等尺性運動といいます)。そのときに膝の裏の枕をそっとつける感じがわかると思います。
膝のお皿を引き上げる(膝をグッと伸ばす)感じで続けてください。10秒間、筋肉に力を入れたままの状態にするのが重要です。運動はゆっくりやりましよう。
反復してこのセッティング法を実行すれば、大腿四頭筋の現状維持ができて筋肉がやせるのを防げ、さらにしっかりやれば十分太ももの筋肉はつきます。慣れれば枕なしでもできるようになります。
②等張性運動(足あげ法など)
等張性運動は、大腿四頭筋(太もも)の収縮時に筋肉にかかるストレスを一定にして筋収縮させる運動です。
足あげ法は、寝て膝を伸ばしたまま、足を45度まで持ち上げて10秒間静止します。
足あげ法のやり方
- まず、仰向けに寝て膝を伸ばしたまま足を約45度まで持ち上げてゆっくり10を数える間静止します(大腿四頭筋が緊張していることを確認)
- 次に持ち上げた足の膝をギュッとできるだけ曲げて(おしりに近づける感じ)ゆっくり10を数える間静止します
- その後、再び膝を伸ばして、また1の状態の足を約45度まで持ち上げる姿勢に戻して、やはり10秒間静止します(大腿四頭筋が疲れている感じを確認)
- そして、仰向けに寝て、膝を伸ばしたリラックスした姿勢に戻ってゆっくりと呼吸します
動作はできるだけゆっくりおこなうことで太ももが鍛えられます。
10秒間の静止をきちんと守るのがポィントです。1日に20〜30回ぐらいから始めて、1日に100回以上軽々とできるようになったら、足首に「おもり」をつけて負荷を強めて続けましょう。
③等速性運動(バイオデックスを使う運動など)
等速性運動というのは、筋肉の収縮スピードを機械的に一定にコントロールして筋肉の収縮をおこなわせる方法です。
等速性運動とは、筋肉の収縮スビードを機械的に一定にコントロールして筋肉の収縮をおこなわせる方法をいいます。膝の筋肉強化に使われる機器は、特殊な機能をもった「バイオデックス(等速性運動機器)」などです。
バイオデックスは片麻痺などの非常に筋力が弱い人のための機器でしたが、筋肉を動かしている状態で計測できるためリハビリへの応用が広がりました。
自分の筋肉の力を反力として運動するため、筋肉に筋力以上の負荷がかからず、また関節を動かしながら運動する理想的な運動になります。
筋力の弱い人には弱く、強い人には強くセットすることができます。しかし、これらの機器はたいへんに高価なため、医療施設などに通院しなければなりません。
④電気的刺激を活用した運動(EMS)
EMSは腹筋を鍛える器具や肩こりをほぐす器具としてよく見かける機械です。
大腿四頭筋の場合は、太ももにパッドを貼り付け、電気を流して鍛えます。
太もも前面の皮橄に電極を貼りつけて、電気的な刺激で大腿四頭筋を锻える方法です。太ももの前側の皮膚に電極を貼り、電気的筋肉刺激で他動的に大腿四頭筋を動かすのです。
変形性膝関節症と脚(膝)の筋肉
変形性膝関節症が長引くと、膝を伸ばす筋肉(大腿四頭筋)がやせて(萎縮して)しまいます。
そうなると、膝に力学的なストレスがますます集中するようになり、膝の関節軟骨の摩耗がおこり、ますます痛くなる「症状」がでてきます。そうすると膝は完全に伸ばしきれない状態(屈曲拘縮)をおこして、O脚になったりO脚が強くなったりするなど、膝の内側にさまざまな症状が出現します。
変形性膝関節症のため膝に「水」がたまったり腫れたりしますと、膝を動かす(特に膝を伸ばす)と痛むために、膝をなるべく動かさないようにしがちです。
歩くのもおっくうになり、やがて大腿四頭筋(太もも)がやせてきます。変形性膝関節症で最初にやせる筋肉は膝を伸ばす大腿四頭筋です。大腿四頭筋がやせればすぐに膝を曲げる筋肉(膝屈筋)もやせてきます。
骨折した足をギプスで固定したことのある人はおわかりと思いますが、骨折が治ってギプスを外したときに、筋肉がすっかり弱って足がぐっと細くなってしまっています。これは長期間の入院で、ずっとベッドに寝かせられていたため、足の筋肉を使わなかった結果なのです。わずか2週間ぐらいでも足はぐっとやせてしまうものなのです。
骨を支える筋肉は毛細血管に囲まれた線維の束です。関節をまたいで骨と骨をつないで収縮することで手や足などを動かすのです。
膝関節の軟骨、骨、軔带を包み、外部からの力(ストレス)をやわらげていますが、この膝の筋肉がやせてくると、軟骨、骨、靭帯に直接ストレスが加わることになります。
さらに、この部分の筋肉がやせると残った筋肉にも負担がかかり、細くなった筋肉は過重な労働をすることになり、結果、筋肉痛がでることもあります。
ですから筋肉を少し鍛えておく必要があるのです。
ふつう、私たちが歩いたり仕事をしたりして使う筋肉は最大筋力の2〜3割といわれます。その筋肉を鍛えるためには最大筋力の30%以上の負荷をかけて、しかもその運動を「継続」する必要があります。
スポーツマンの筋力強化では最大筋力の50%ぐらいから運動をスタートしますが、膝の病気をもっている人には最大筋力の20〜30%でも、それを長く繰り返すことによって筋力の維持から段階的に大腿四頭筋を強くするという目的があります。
ひざを鍛える以外にも栄養摂取が重要!
膝の痛みには太ももの筋肉を鍛えるのも良いですが、膝の痛みには普段からの栄養摂取もポイントです。栄養摂取のために食生活の改善をするなど、根本的な改善が大原則です。
手軽な方法の一つとして、サプリメントを試してみることもおすすめです。脚を鍛えるだけではなく、膝にとって良い栄養を摂ることで相乗効果を発揮します。
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