変形性膝関節症で整形外科医が処方する薬は、外用薬(貼り薬、淦り薬、座槃など)と内服薬(飲み薬)があります。
患部を冷やしたり(アイスパック)、温めたり(ホットパック)するには貼り薬を処方します。膝の痛みをとるための内服薬としては鎮痛剤などを飲むことになります。
この鎮痛剤は、熱や腫れを抑え込む仕事をしてくれます。短期の使用では胃腸障害に注意すれば良いのですが、長期間の使用では肝臓を含めて副作用に注意します。
変形性膝関節症の薬
膝の鎮痛剤は、手術後の痛みを取り除く目的でも使われたりします。飲み薬のほか、直接患部へ注射する薬もあります。
病院などで処方する貼り薬は、町の薬局で売っているものと比べてインドメタシンなどの薬剤成分が多く含まれるのが特徴です。効果が強い代わりに副作用もでやすくなります。
貼り薬のしくみは、主な成分の消炎鎮痛剤を皮膚から吸収させ、腫れている場所に直接作用して熱を下げるようになっています。
貼り薬の副作用は、貼った場所にかゆみ・かぶれが見られます。その理由は、貼り薬が皮膚呼吸のじゃまをしたり、汗腺を塞いだりするためです。汗が湿布剤の下にたまることで汗疹(あせも)になることもあります。
塗り薬も貼り薬と同じように消炎鎮痛成分を皮膚から吸収させるものです。いずれも傷ついた場所には使えません。塗り薬のインテバンクリーム(インドメ夕シン製剤)、ボルタレン軟膏、スミルスチックなどは、飲み薬と比べて薬が直接作用するので成分が薄く、胃腸や肝臓などへの副作用がほとんどないのが特徴です。
変形性膝関節症で処方される主な飲み薬一覧
変形性膝関節症で処方される主な飲み薬の一覧表です。
薬の種類と効果 | 薬の名前 |
ビタミン剤(抹消神経機能などを改善) |
・メチコバール錠(ビタミンB12製剤) ・ビドキサール錠(ビタミンB6製剤) |
筋弛緩剤(骨格筋の緊張を改善) |
・アロフト錠 ・リンラキサー錠 |
血行改善剤(末梢の血流を増加させる) |
・プロサイリン錠 ・エバデールカプセル(EPA製剤) ・ユベラNソフトカプセル |
骨粗しょう症治療剤(カルシウム代謝改善、骨形成促進) |
・アルファロールカプセル(ビタミンD製剤) ・ロカルトロールカプセル ・ワンアルファ錠(ビタミンD製剤) ・オステン錠(イプリフラボン製剤) ・フォサマック淀(ビスフォスフォネート製剤) ・アクトネル淀(ビスフォスフォネート製剤) |
副腎皮質ホルモン剤(ステロイド剤) |
・プレドニン錠 ・プレドニゾロン錠 |
痛み止め非ステロイド系(消炎、鎮痛、解熱剤、慢性関節炎などの治療) |
・インフリーカプセル(インドール酢酸系) ・インダシンカプセル(インドール醉酸系) ・インテパンカプセル(インドール酢酸系) ・ランツジール錠(インドール酢酸系) ・ニフラン錠(プロピオン酸系) ・ナイキサン錠(プロピオン酸系) ・ミナルフェン錠(プロビオン酸系) ・ペオン錠(プロビオン酸系) ・フロベン錠(プロピオン酸系) ・ロキソニン錠(ブロビオン酸系) ・クリノリル錠(アリール酢酸系) ・レリフェン錠(アリール酢酸系) ・ボルタレン錠(アリール酢酸系) ・ロルカム錠(オキシカム系) ・フルカムカプセル(オキシカム系) |
胃腸薬(変形性膝関節症などに処方する鎮痛・抗炎症薬には胃腸を障害する副作用がある。それを保護する薬) |
・オメプラゾン錠(プロトンポンプ阻害薬) ・オメプラール錠(プロトンポンプ阻害薬) ・パリエット錠(プロトンポンプ阻宙萊) ・タケブロンカプセル(プロトンポンプ阻甚薬) ・夕ガメット錠(H2受容体拮抗薬) ・ザンタック錠(H2受容体拮抗薬) ・ガスター錠(H2受容体拮抗薬) ・アシノンカプセル(H2受容体括抗薬) ・アルタットカプセル(Hz受容体拮抗槳) ・ノイエルカプセル(防御因子坳強薬) ・セルべックスカプセル(防御因子増強蕖) ・ケルナックカプセル(防御因子坩強槃) ・ウルグートカプセル(防御因子坳強薬) ・アルサルミン錠(防御因子坩強薬) ・ゲファニールカプセル(防御因子坳強薬) ・グルマール顆粒(防御因子垧強薬) ・ソロンカプセル(防御因子坩強薬) ・マーズレンS顆粒(配合剤) ・コランチル顆粒(配合剤) ・ビオフェルミンR(生菌整腸剤) |
整形外科で薬が処方されたら(薬の注意点)
膝の痛みで薬が処方されたら薬は正しく担当医の指示どおりに飲んでください。
どんな薬にもさまざまな副作用があります。漢方薬にももちろん副作用はあります。
患者のなかには、副作用を心配して途中で(担当医に相談しないで)勝手に薬を中断する人もいます。
しかし、薬によっては途中で中止するとリバウンド現象(反跳作用)といって薬の成分が急激に作用することがありますので危険です。自分の判断で薬の跫を増やしてもいけません。大量に飲んでも効果が倍増することはありません。自分の判断で大量の薬を長期間飲んで糖尿病や白内障などの病気になった人もいます。
ですから、もらった薬が効かなかったり、薬のおかげで体調が悪くなったなどの変化が認められたら、すぐ担当医に伝えてください。
服用のタイミングにも気を付けて
薬袋には「食前」、「食間」、「食後」など、服用時刻や飲む時期を指定してあります。
「食前」服用というのは食事の約30分前です。食物が胃の中にあると吸収されにくい薬や、食欲をおこさせる薬、胃を害しないで薬の成分を早く吸収させる目的などでだす薬などです。
「食後」服用は食事後約30分です。胃を強く刺激するような薬は食後に飲みます。胃の中に食ベたものがたまって消化液が活発に分泌されているときですから、薬の刺激が胃の粘膜にあまり影響せず、食べ物と一緒に体内に吸収されやすいからです。
「食間」服用は、食後約2時間です。朝食と昼食の間という意味です。食事中と誤解しないようにしてください。
定められた時間ごとに飲む薬には、抗生物質などがあります。時間をずらすと効果が薄くなることもありますので、時間はなるべく守ってください。
カプセルを外して中身だけ飲むのはやめてください。カプセルの種類によっては、薬が最もよく吸収されるように、胃で溶けたり、胃で溶けずに腸で溶けるように工夫されていたりするからです。胃で溶けると酸のため、効かなくなる薬もあります。
変形性膝関節症で整形外科医が処方する薬は痛み止めが最も多くなりますが、どんな薬を飲まされるのか担当医にきくようにしましょう。
病院で薬の名前をきくのを忘れ、何の薬かわからなかったら、上の表と照らし合わせてみてください。
薬に頼り切らず、普段の栄養改善を心がける
堪えがたい変形性膝関節症の痛みで薬を飲むのも良いですが、膝の痛みには普段からの栄養改善もポイントです。
食生活の改善やサプリメントを上手に使うなど、根本的な治療が大原則です。このページ解説した医薬品は効果が期待できますが、薬なので副作用もあります。
方法の一つとして副作用のないサプリメントを試してみることもおすすめです。膝の痛みを薬に頼り切るのではなく、膝にとって良い栄養を摂るように心がけましょう。
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